2013年9月24日火曜日

「頭のよさ」は遺伝子で決まる!?

著者:石浦章一

本文より

頭がいい人ほど脳を効率よく使っている
 頭の処理スピードが速いというと、脳のシナプスのつながりが速いのではないかと思われるかもしれません。しかし、少なくとも脳の電気が伝わる速さは、頭が良い人も悪い人も、ほとんど同じです。
 面白いことに、頭を要領よく使っている頭のいい人の脳は、じつはあまり動いてないのです。逆に頭の悪い人が何か作業をしていると、いろいろな部位が動いています。IQの高い人と低い人にいろいろな作業をさせて調べたところ、IQの高い人のほうが一般に血流量が少ないことがわかったのです。これは神経回路が速く回っているのではなく、神経回路のつながりに無駄がなく、記憶の形成や引き出しが効率よく行われているということです。また、IQの高い人は刺激への反応時間が短いという結果も出ています。
 つまり、頭がいい人、要領が良い人は、脳内の回路を省略化して最短距離で使っているといえます。
 同じ作業をしても、頭の良い人のほうが脳をあまり使っていないのですね。だから頭が疲れないともいえます。逆に頭の悪い人は、同じ作業に脳をたくさん使いますから、すぐに疲れます。頭の悪い人ほど、脳を無駄に使っているのです。
 とはいえ、あきらめないでください。脳は学習しますから、はじめは無駄に使っていても、練習を重ねることで効率よく働くようになります。
 学習とは結局、脳をどのように効率よく動かすかを学ぶことです。たとえば迷路学習でも、最初は寄り道をしてしまって時間を無駄にします。そのとき、脳は一生懸命に動いているわけです。ところが何度か繰り返し練習して最短距離を覚えれば、寄り道せずに目的地にたどりつけますから、脳の使用時間も短くなるのです。
 記憶にしても、はじめは脳はいろいろなことを覚えているのですが、一晩眠っているうちに、無駄なものは記憶の奥底に仕舞われて忘れられ、大事なものだけが残ります。それは、脳が自動的に省略化しているということかもしれない。
 何事も初体験ではうまくいきませんから、いろいろ試行錯誤するため脳も負担が大きいのです。それが経験を重ねて「こうすればうまくいく」とわかると、その後は同じ道筋をたどれば脳が効率よくはたらくようになるのです。
 くりかえしますが、ものごとを要領よくうまくこなせるようになるということを脳レベルで考えると、脳が回路の最短距離を覚えて省略化するようになることを指します。ですから練習すればするほど、脳は効率よくはたらくようになり、疲れなくなり、思考スピードが速くなって処理速度が上がることになります。
 そう考えれば、計算だって練習をすればするほど速くなります。そして創造性を発揮するためには、基礎的な知識を身につけ、いろいろな工夫をする体験を積み重ねることが、最終的には大切なのですね。


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