2013年9月7日土曜日

生きる悪知恵

著者:西原理恵子

本文より抜粋

70社受けてもダメ。出口の見えない就活に疲れ果てました。

 30〜40社落ちるのは、ザラなんだよね。しかも、会社がどこで差別化して採用、不採用を決めてるかもわからないし、やってられない気持ちになるよね。
 でもさあ、私も東京出てきたときにバイトの面接はいろいろ受けたけど、もともといいとこ行かないから。すごい条件のいい銀座のクラブとか死んでも行かない。炉端焼きの皿洗いとか、絶対大丈夫そうなところを探して行く。そういうふうに、ココだったら大丈夫ってところまで落とす必要はあると思う。
 あなたはきっと、すごい良い会社ばっかり受けてるんじゃないのかな。一流と呼ばれる大学って言ったって、世の中にはもっと一流の大学があってさ、東大だけで毎年3000人卒業してて、早稲田や慶応もいて、それに海外帰国組の英語やら何やらペラペラの人達がいて、あと親のコネ組なんかもいるでしょう。そういう人たちが全部いいとこの就職先を取っちゃうから、ちょっといい大学ぐらいじゃ無理だよね。
 だって、たとえば小学館とか講談社なんか、早稲田の人ばっかり受けに来るんだよ。それで、1000人に1人とかしか受からないって、精子かっつーの! そうなってくると、もう運だよね。面接する人の好みにもよるし、オタク雑誌の編集が面接担当だったら、優秀な人より変なオタクのほうが採用されたりとかってこともあるし。
 70社って言っても給料のいい順とか有名な順に上から受けてたら、それはダメだよね。私だったら下から攻める。明日のおまんまのほうが大事だから。あなたは、明日のご飯の心配しないのかな? 私だったら、これだけ落ちたらもう皿洗いでも夜の商売でも、怪しい「幹部候補生募集」みたいなやつでも何でもやるけどね。
 なんかやっぱり世間では一流と呼ばれる部類に入る私大の学生なんて言ってる時点でダメだと思うよ。世間にはもっとすごいのがいっぱいいるし、女子なんて美人で筆記満点で資格持ってて英語できて・・・って麻雀でいうところの満貫でも落とされるんだから。そこで勝負できない自分をまず把握するべきだと思う。一流大学を外したときに、自分に何が残るかってことだよね。
 そこで普通の学生とか言ってたら始まらない。小さい会社でも地方の会社でも、おまんま食わせてくれるところに行けばいいじゃん。一流の大学に入れる頭があるんだったら、どこでもいいから入ってノウハウ身につけて、それから独立しちゃえばいい。
 私の知り合いの編集者でも、編プロのアルバイトから入って大手の社員になった人とかいるからね。たまたまインド取材のときに知り合った女の子なんかも、そのときは学生だったけど、最終的にはいいとこ入ってるんだよ。ちゃんと単行本の企画を出して10万部とか売って、それをお土産に大手の面接に行くから、中途で採ってくれるの。女子にはそういう中途の人、すごい多い。みんなそうやって横から入ってる。私だってエロ本からの横入りだし。大事ですよ、横入り。
 だから、あなたにも横入りって知ってる?と言いたい。正規では本当にいくら才能があってもなかなか採ってくれない場合があるからさ。あんまりマニュアル的に考えるんじゃなくて、それ以外の方法もあるってことを考えてみて。
 どっこも採ってくれないのは逆にチャンス。やりたいことをやればいいんだから。まさか22年も生きてて、何もないなんてことないよねえ?

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